Dec 6, 2010

愛犬のこと。 about my dog


















PHOTO by soo
週末、久しぶりに実家に帰って愛犬を散歩につれていった。

うちの愛犬は、シェルティのメスで、今7歳。名をマールという。
もともと、弟の悲願で飼うことになったのだが、
ペットショップからつれて帰ったのも私、子犬の頃の小屋も私の部屋が一番そばで、
実家にいるときは毎晩私と一緒に寝ていた。

恐がりで音に敏感な子なので、夜は寝付くまでずっとなでてあげた。
最初は少しでも物音がすると、ビクッと目を覚ますのだが
「大丈夫だよー」とゆっくりなでていてあげると、
人間みたいに大きなため息を一回ついて、そのうち深い眠りにつく。
手を離すと目をさましてしまうので、私は彼女がいびきをかきはじめるまでずっとなでていた。
そう、私はマールを我が子ばりにとてもかわいがった。

なので、久しぶりに実家に帰ると、マールは嬉しくて嬉しくてどうしようもないっていうほど喜んでくれる。

ずっと私の後ろについて歩き、お風呂に入ってもドアの前であがるまでずっと待ってくれ、寝るときは私のまくらに頭をのせて一緒にねる。(そしていびきをかく)

実家が東京とは言え、実家に帰るのは2〜3ヶ月に1度くらい。
犬にとっての3ヶ月は、人間にとっての5年くらいの時間経過らしい。

最近、帰る度にマールが少しずつ年をとっていくのを感じる。
前より目の下が垂れてきたな、とか、ちょっとほほが細くなったな、とか。
そういう変化を見て、マールと会える喜びと同時に、私は少しせつなくなる。

たとえ全く病気にならなかったとしても、10年後、この子がいるかどうかわかない。


「ペットに『あとで』はない」


これは、学生の頃たまたま電車の中で聞いた言葉だ。
学校帰りの電車が電気故障かなにかで止まってしまい、
ドアが開かないまま、数分電車に閉じ込められたことがあった。
エアコンも止まり、アナウンスもない。
でも昼間ということもあって、人々はそんなに慌てた様子ではなかった。
私もただぼーっとしていた。
その時、シーンとした車内で聞こえてきた大学生くらいの男性2人組の会話だ。

「あとで散歩いってやろう」「あとでボールで遊んでやろう」と毎日ペットの世話を後回しにして、自分の生活に夢中になっているうちに、昨日ペットが死んでしまってとても後悔している、という内容の話だった。
その会話の最後に大学生が言った言葉だ。

たまたま聞こえてきた言葉だったが、私は絶対この言葉を忘れまい、と思った。
そして、電車が動いた。


「ペットに『あとで』はない」


だから私はかわいがる。
疲れていても、散歩にいく。
相手にして欲しそうだったら遊んでやる。
甘いものや人間の食べ物はやらない。
犬のおやつは芸をしたらあげる。


そして思いっきりなでてやって、後ろ髪引かれる想いで、また実家から離れる。

どうか、ずっと元気で、いてね。
目を見てそう言う。


彼女にとって、また5年の別れになる。

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